美しすぎる記憶
思い出すのは、君の美しすぎる記憶…。
目をとじる。
小さい頃から、今までを思い出す。
君はいつだって俺に涙を見せなかったんだ。
君はいつだって笑っていたんだ。
初めて君が俺に会った時、君は笑っていた。
公園のすみで泣いている俺の手をひいてくれた。
中学の頃、リング争奪戦を笑顔で応援してくれた。
傷付いた皆を見てしょんぼりしていた俺に笑いかけ、
きっとよくなるって言ってくれた。
皆に希望を持たせてくれた。
そして君は、最後まで笑っていた。
悲しんじゃだめって言って、俺の元を去った。
「…」
俺は空を見上げ君の名を呼ぶ。
名前と一緒に思い出すのは、
君の美しすぎる記憶
海 (2007.11.2)