風邪をひきました。あれ、なんでだろ。私バカだぞ、どうやったら風邪とかひくわけ。「夏風邪でしょうクフフ。」今冬だっての。・・・あれ、どっから入ったのこの人。
even so .
「・・・何しにきたんですか。」
「もちろんに会いにきたんです。」
「・・・あぁそう。」
「・・・!?」
おかしい、おかしいです!いつもなら何言っとんじゃーとか言って僕の胸に飛び込んでくるのに「飛び込んでませんよ。」・・・そうですか。
「・・・。」
「何ですか、つか無駄に切なそうな顔すんのやめて。」
「(がーん)どうしてそんな元気ないんです!」
「熱がある人に元気にしてろって言うんですかあんたは!」
「・・・(あ、そうか。)」
あ、そうか、みたいな顔してんじゃねーよ!あぁダメだ、この人を前にすると熱がどんどん上がっていく気がする。
頭も痛いしお腹も痛いし、そうだ寝るのが一番だ。は骸に背を向けて布団を頭までぼっすり被り、再度眠りにつこうとした。
しかし、熱があるにとって、一度目覚めてから再度眠りにつくのは至難のわざだ。何度も布団の中で寝返りをうって、
羊が1匹2匹3匹と数えてみたりもしたけどそれでもなかなか寝つけない。羊が196匹になったところで、後ろからゴソゴソという音がして、
何事かと思いくらくらする頭を無理矢理布団から出して音がした方向へと顔を向けた。そんなの視線に気付いたのか、
骸は慌てて手に持っていた緑色の、いかにも泥棒が持っていそうな袋…というかふろしきを自分の後ろにかくした。
「・・・何ですかそのありきたりな袋。」
「な、なんの事ですか?僕は別に下着を盗んでいこうだなんて考
「中身は私の下着なんですね。」
「・・・〜♪くーふーふー♪〜くーふーふー♪〜くーふーふーのーふ〜〜♪」
「歌でごまかすなァ!!」 (ばすっ)
「ふごぁっ!」 (ぼすんっ)
私の投げた枕が骸さんにヒットしてぶっ倒れたのと同時に骸さんの後ろにあった緑色の大きな袋(というかふろしき?)がはじけとんだ。
それと同時に私の下着もはじけとんだ。(やっぱり持って帰るつもりだったんだなこいつ。)
すごい量だ。このまま持って帰らせたら間違いなく次の日私は下着に困っていただろう。
「ノーパンノーブラのも見たいです。」「死ねば良いよあんた。」・・・ほんと何しにきたのこの人。
「、高校生になってもバックプリントをはくのはどうかと思います!」
「・・・1回パイナッポー星へ里帰りしてきてください。」
「クロームでさえもっと大人っぽい下着を使用してるんですよ!」
「・・・あんた髑髏ちゃんのまで盗んだわけ。」
「いえ、クロームは頼めば見せてくれるので。」
「(アホだ、アホだこいつら。)」
うるさくて眠れないから少し静かにしてて、と言ってみるがやっぱり変態。
下着について語りだすと止まらないらしい。こうなった骸さんをとめるには少しばかりパワーが必要で、
でも熱が上がりつつある今の私じゃ明らかに無理だ。元凶である骸さんは未だに髑髏ちゃんの下着と私の下着を比較して、
どうですか今度一緒にもっと大人っぽいのを買いに行きませんかとか言ってるし(行かねーよ)、というか下着屋にあんたみたいな男が入ってったら
大変な事になりますから。人類滅亡の危機ですから。
「骸さん、眠れないんでどっか行ってください。」
「んな!ちょ、僕にどっか行けとは何事ですか!」
「・・・(あぁもういーや)」
さらにくらくらしてきたは、骸の呪文のような言葉から逃げるように再びぼっすりと頭から布団をかぶった。
しかしそのうち酸素が足りなくなってきたのか、呼吸がしにくくなる。布団のすきまを少し広げようと手を動かしてみるが、
力が入らない。(そこまで熱が上がってるのか。)ああもう全部あの南国果実の所為だ。だんだん息苦しくなってきて、
もうほんとに呼吸ができなくなってるけど、自分じゃどうしようもない。力が入らない。
そんな時、急に顔につめたい気が当たって、驚いて目を開けたらそこにはあの南国果実、骸さんがいた。
きっと私の唸り声を聞いて、布団を上げてくれたんだろう。
はたしてこの優しさは本心なのか下心があるからなのか。
「どうしたんです、寝ないんですか?」
「さっきまで眠らせまいと騒いでいたの誰ですか。」
「眠れないなら僕が添い寝してあげましょう!」 (ごそごそ)
「話かみ合ってませんよね、やめてください。」 (げしっ)
「なら子守唄を!くーふーふー♪くーふー
「それ子守唄でもなんでもないですから。サンバですから。」
「クフフ、愛さえあればサンバだって子守唄になるんですよ。」
「意味分かりません。」
それでもこの人が大好きだと思ってしまうのは、はたして本心なのか熱があるからなのか。
骸さんのキャラソン、大好きです。(笑) 空 (2007.12.2)